相模湖の南東の山を総じて石老山といいます。 第3紀地層の礫岩が全山に分布して、巨大な奇岩、怪石に富んでいるところから石老山の名がつけられたものと考えられています。
山の中腹には顕鏡寺という古義真言宗の寺がありますが、この寺は平安朝の初期、高家の宮人が恋のかくれやであったものを、のちに宮人は発心して寺を建立したと伝えられています。また、西方の山つづきの湖水に面するところに「みの岩」「鏡岩」などの奇岩があり、ここを流れる渓流を滝川とよび、さまざまな滝が点在しています。石老山の山項と並ぶ大見晴の山項の標高は695メートルで東海自然遊歩道の相模湖周辺通過地点の最高峰となっています。 気軽に登れる人気の高いハイキングコースになっています。
顕鏡寺
真言宗高野山派。本尊は、木造金箔座像の福一満虚空蔵尊。津久井三十三観音霊場第14番札所の十一面観音(もとは増原西福寺所蔵。合併で遷座)があり、境内には蛇木杉や大イチョウ(かながわの名木100選)など古木が多くあります。また、寺域には奇岩怪石が多く、岩窟には虚空蔵菩薩が安置されています。
岩窟
顕鏡寺山門の左側、石段を登った処に岩窟があります。道志法師、源海法師が住居とした岩窟であり、これを道志岩窟と言います。この岩窟の中に福一満虚空蔵尊が安置されており、顕鏡寺の寺宝とされています。最近では「パワースポット」として紹介している方もいらっしゃるようです。
蛇木杉
樹齢400年以上と言われ、樹の太さは約6.3メートルあり、石老山中、最大の杉です。杉の根2本が地上に露出していて、その姿は蛇が横たわっているように見えるため「蛇木杉」と名付けられました。また、この2本の根を雄龍、雌龍と言い、この龍がすぐ上にある鐘楼に登らんとする姿は神秘的です。